邂逅 ==レオくんとレナさん@==
俺が彼女と出会ったのは、冬の日だった。
クリスマスが俺は大嫌いで、いつもその日は家にいたくなかった。
だから、あの日も公園のベンチにいた。
その公園は、大きな和風の屋敷に面していて、他の家とは違う大きなツリーが置かれていた。そして、俺はただ、恨めしげにそれをみていた。
両親共働きなんて、そんなありふれたことだ。
だけど、クリスマスの日まで俺を一人にしないでほしかった。
そんなことを、考えながら、ずっと屋敷をみていた。
しばらくすると人が出てきた
屋敷のお嬢様なのだろうか。暖かそうなコートを着て、幸せそうに笑っていた。
一人で、はしゃいで。
やがて、少女は公園にやってきて俺を見つけたらしく、近づいてきた。
「あんた、何をしているの?」
少女は俺に話しかけたようだった。
こいつ、学校で「知らないお兄さんとは話しちゃいけませんよ〜」って習わなかったのか?
俺は、何となく返事をかえしてみる。
「何もしてない」
「はっ、馬鹿ね・・・・・・こんな暇そうな人見たことがないわ。こんな日に遊ばなくってどうするのよ?」
少し口調にいらついたが、もしかして少女も寂しいのだろうか?
もしかして、俺に遊んでほしいとか?
「暇なら、うちに来ない?一人でいるよりも、二人でいる方が楽しいでしょ?」
きっと、3つくらい年下の少女は俺よりずっとしっかりしていた。
俺は、少女の提案に頷くと、少女に手を引かれ、寒い中、歩き出した。
◆◆◆ ◆◆◆
「はぁ・・・・・・。」
なんだ、夢だったのか。少し落胆した。
もしあのときに戻ったら、レナと関わり合いにならないようにと思っていたのに・・・・・・。かえられなかった。
そして、当の本人はひょっこり壁から顔をのぞかせて、こっちに歩み寄ってきた。
「何よ、溜息なんかついて。残り少ないレオの寿命がさらに縮むわよ?」
短くないさ!!断じて!もし、俺の寿命が短くなっているとすれば、縮めているのは確実にレナだからな!!
「いやさ、レナと初めてあったときのことを思い出してさ。」
そう言うと、レナは一瞬目を丸くした後、盛大に笑った。
「あははははははは!!ああ、あのときの私はシロップに砂糖を盛大に大量に足したような甘さだったわ。」
確かに、今のレナを見るとその通りとしか言いようがないが、あのときも十分苦かった。
「そうだな・・・・・・はははは。てか、あのときの俺は馬鹿だった。」
レナについて行ったことは、人生で唯一の汚点だ。
俺がその言葉を言うか言わないかの時に、レナは思いっきり物を投げつけた。しかも痛そうなやつ。
「あんたが馬鹿なら、そのあんたを常葉さんに紹介した私はもっと馬鹿だったのね。」
レナを怒らせてしまったようだ。レナを宥めるように、俺はゴメンゴメンとつぶやく。
「――――何か、今日は調子悪いわね。いつもなら、ここら辺であんた、キレてるじゃない」
「多分、クリスマスのせいだよ。」
あのときのことを思い出したのも、きっとそのせいだ。
「まぁいいけど、いつまでもそのシケた面してたらぶっころ・・・・・・あ、常葉さん★」
殴られかけたところで、常葉さんが現れた。
「おい、レオ、レナ行くぞ」
「わかった」「ああ、もう常葉さんには敬語で話しなさいよ」
そんな、日常がまた繰り返されていく。
こんな日常が壊れなければいいと思った。
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夏帰歌の半年前くらいのおはなしでした。
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